大数(たいすう)の法則は善か悪か

大数の法則とは簡単に言うと、サンプル数が多ければ多いほど、回数が多ければ多いほど傾向が分かりやすくなることです。ぱちんこの場合、毎日1年間北斗の拳 暴凶星を打ち続けていれば、1日あたりの初当たり回数は6回くらいという数値が平均値として導かれることに気づくだろう。

ギャンブルでいうと、期待値が100%を超え続ける、すなわち絶対に負けない方法は、不正を働かないと絶対に無理です。大数の法則による傾向値(平均値)とは、ある特定の事象しか起こらないことを示すためのものではありません。

ぱちんこも2000回転回せば、どハマりして初当たりが2回しかないときもあれば、10回当たり引いても確変が3回でしかも連チャンが3回で終わってしまったなんて時もあります。その初当たりの回数の平均は、1日あたり2000回転回して、しかも365日間毎日続ければ、より精度の高い平均値が出ます。これこそが大数の法則になります。

例えば、ぱちんこで2000回転を毎日回して3日間だけの平均が10回だったとしても、この機種の初当たり回数の平均が10回ということにはなりません。サンプル数による影響について考えてみましょう。

大数の法則を考えるとき

ある事象が起きる確率や可能性について考えるときによく使います。ある事象とは一般的に悪いことが多く、保険会社が保険商品を開発するときに大数の法則を使います。数理計算の専門家のアクチュアリーの資格を所有している人たちです。傾向値を考える基礎データは原則としてランダムなデータです。

ランダムかつ試行回数が多いほど、大数の法則により傾向値が分かりやすくなるということは、1つ1つは傾向値が定まりにくいばらつきの多い結果だと言い換えることができます。

3回やっても1000回やっても結果に変わりがなければ、大数の法則の対象ではなく安定したもので対策が講じやすいです。ギャンブルなら絶対に勝てるということです。

サンプル数が3個の場合

偶然ある特定の傾向値だけを取っている可能性が高い。信憑性の低い平均値ということです。この3日間のぱちんこ大当たり回数が10回で、出玉が3万発だったとしたら平均値も10回、3万発でみんなぱちんこだけして働かなくなるだろう。ぱちんこやが商売として成立しなくなります。

1000回ハマって1回だけ当たった台が空いていた場合

1000回転ハマリがあってもあと9回当たれば何とかなると考えてしまうでしょう。逆に3日間の平均初当たり回数が3回で全て単発で全部のまれて出玉が無くなり10万円の負けという場合、これが平均値となりだれもぱちんこをやらなくなるでしょう。この方が本人にとってはいいことかもしれません。

何が言いたいのかというと、サンプル数が少ないと正しい傾向値を示さないということです。誤った判断や行動に繫がってしまいます。

サンプル数が365個の場合

ぱちんこ台で人気の台でも長くても2年くらいだから、1年分のデータで初当たり回数の平均値と差引出玉数量の平均値は比較的当たっていると思います。実戦で使えるデータということになります。ここで初当たりが6回、出玉が2万円の負けという平均値が出たと仮定しましょう。

初当たり4回、出玉も2万円の勝ちの台が空いていた場合

あと2回くらい当たるかもしれないと考えます。しかし、平均の2万円の負けからみて2万円の勝ちというのは4万円分の開きが発生しています。この開きが大きいと感じるか小さいと感じるかは本人次第ということになります。

当たってもあと2回ならぱちんこやるのを止めようと考えるかもしれません。万が一当たらなくても依存症でもなければ傷が浅いうちに止める決断ができます。正しい傾向値を知ることは、勝っても負けても弊害が少ない行動に落着します。バランス感覚のある人というのは、人間関係も含めて様々な事象の傾向値を感覚的に知ってる人なのかもしれません。

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世界はランダムであり異常値に支配されている

大数の法則が成立しその傾向値を知っている人が、その通り行動し成功も失敗もしない場合、恐ろしく退屈な人か人生だと思います。これからAIが進化し瞬時に判断や行動について教えてくれるようになると、使用しているAIデータセンターが同じだと利用している人全員が同じ行動をとるからパニックに近いことが多発して混乱が予想されます。

リーマンショックも東日本大震災も平均的に発生する事象ではないですが、間違いなくその後の世界に大きな影響を与えています。平均からは何かを変える力は生まれません。

ビートルズからバンドで作詞作曲をするようになり、1曲当たりの長さが3分程度だったのが『ヘイ・ジュード』で7分超えの曲をリリースしてからは他のアーティストも追随するようになり多様な曲作りが可能になりました。

大数の法則はギャンブルや勝負事にだけ活用して、感情をコントロールする基準として使うのが一番適した使い方でしょう。

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